今回は、小学生、特に高学年の読書感想文の書き方を、例文をまじえて紹介します。
夏休みの宿題の中でも、読書感想文がぎりぎりまで残ってしまうお子さん、多いのではないでしょうか。わたしも小学生の頃は、読書感想文は嫌いで、毎年家族に助けを求めていた記憶があります。
でも、読む本の選び方と、感想文の構成のやり方さえ間違わなければ、読書感想文も怖くないんです。これから紹介しますので、ぜひ、読書感想文を書く際の参考にしてくださいね。
読書感想文での本の選び方は?
出典:www.town.seika.kyoto.jp
今年2016年の課題図書は、中川なをみ作『茶畑のジャヤ』、R・J・パラシオ作『ワンダー』、大西暢夫著『ここで土になる』、馬場錬成著『大村智ものがたり:苦しい道こそ楽しい人生』の4作品です。
この中に興味を持てるものがあればいいのですが、読書感想文コンクールの趣旨が、夏休みという機会に本を読んで、感動や見識を広げよう、というものなので、ちょっと難しいかなという場合もありますよね。
読書や感想文が得意な子だったら、難しい本にチャレンジするのも素晴らしいのですが、好きじゃない本を無理に読んで読書嫌いになってしまったら、本末転倒です。本屋さんで、表紙や紹介文を見て楽しそうだと思える本、苦痛にならない厚さの本を選びましょう。
たとえば、サッカーが好きなら、サッカー少年が主人公の物語を探しましょう。魔法の世界に憧れるなら、ファンタジー小説を読みましょう。理科が好きなら、科学者の伝記はいかがでしょうか。とにかく、楽しく読める本を選ぶことが大切ですよ。
読書感想文の「構成」ってなに?
出典:woman.excite.co.jp
読書感想文が進まない理由ってなんでしょう。「何を書いてもいい」となると、「何を書いたらいいのかわからない」んですよね。
感想文の構成を頭の片隅に入れて読書すると、頭の中を整理しやすいですよ。
具体的には、読書感想文は、「はじめ」、「内容」、「結び」の3つの意味段落で作ります。いきなり1200字書けっていわれたら無理でも、400字を3つだったら、少し気が楽になりませんか。
構成 – はじめ
書き出しの部分は、本の著者と題名、読んだきっかけと、本のあらすじを簡単に説明します。
たとえば、
という感じです。
構成 – 内容
次に、本の中で、面白かった場面や感動した場面などについて、1つか2つ取り上げて、場面の説明も入れながら、思ったことを書きましょう。
例として、先ほどの本だったら、
などです。
構成 – 結び
内容で書いたことを、本の中を超えて、自分のことや身近な世界のことに結びつけてふくらませます。自分と主人公の共通点と違いに注目すると書きやすいと思います。
たとえば、
などですね。
参考作品例文
アンネの日記増補新訂版 [ アンネ・フランク ]
|
実際に愛媛のコンクールで受賞した小学6年生の作品を紹介します。読んだ本が誰もが知っている『アンネの日記』なので、あらすじ紹介はありませんが、本の場面について説明した後、自分の身の回りのことに結びつけるという構成が参考になります。
このように、先ほどの構成をちょっと応用して、本の内容・自分のこと・本の内容・自分のこと、と繰り返すのもいいですね。
読みながらメモを
出典:pen4l.com
感想文を書く前に、読書は2回するのがオススメです。1回さらっと通読した後に、どの場面を書きたいか、先ほど説明した構成に当てはめて考えてみましょう。
そのとき、あやふやなところがあると思うので、もう1度、今度は軽くメモを取ったり、本にふせんを貼ったりしながら読むと感想文を書きやすくなりますよ。
おわりに
夏休みの宿題の中でも苦手に思われやすい読書感想文についてまとめましたが、いかがでしたか。ぜひ、楽しく読める本を探して、紹介した構成に当てはめて書いてみてくださいね。
例文に取り上げた『夏の庭』は、毎年本屋さんの夏のおすすめコーナーで見かけることも多いですが、実は、わたしが小学生の頃、読書感想文をはじめてやる気満々で書いた本でした。
読書感想文が苦行のまま終わってしまったら、もったいないです。この夏、子どもたちがお気に入りの1冊に巡り合えるといいなと思います。