もう夏休みも後半。自由研究のメドがつかなくて困っているお子さんも多いでしょう。引き続き、理科の自由研究の題材に困っている中学生や親御さんに向けて、1日で簡単にできてしまう実験のテーマを紹介していきます。
今回は化学の実験になります。今まで紹介した実験も数時間でできてしまう簡単なものばかりとはいえ、電流を流したりカッターナイフで工作したりというものもありました。
この記事で紹介する氷の解け方の研究は、危険を伴う作業がなく、手先の器用さも必要としないので、誰もが取り組みやすいのではないでしょうか。レポートも書きやすいと思いますよ。
気になる実験の内容は、水道水で作った氷を何に包んだら氷が溶けにくくなるのかということと、水道水に何かを混ぜたら氷の解け方に変化があるかの2点を調べます。
生ものを買うとお店の人が保冷バッグに入れてくれることがありますよね。夏だから、買い物やお弁当に保冷バッグを持ち歩いている方も多いでしょう。1つ目の実験で、それってどのくらい効果があるの?ということを調べます。
2つ目は、冬、雪の予報が出るとお家や学校で融雪剤を撒きますが、あの融雪剤のような効果のある材料を実験で探してみようという実験です。
難易度:★☆☆☆☆
氷の解け方の研究
用意するもの
・プリン型や空き容器など×6
・割りばし
・大さじ
・小さじ
・新聞紙
・ビニル袋
・アルミホイル
・保冷袋
・布
・セロハンテープ
・計り
・製氷皿
・食塩
・砂糖
・片栗粉
・尿素
・保冷ボックス
・ストップウォッチ
・キッチンペーパー
尿素は化粧品原料としてドラッグストアで売られています。
プリン型は冷凍できるものなら材質は問いませんが、実験の比較を正しく行えるように、同じ材質・同じ形・同じサイズで6個そろえましょう。同じ理由で、製氷皿も同じ形の氷が15個以上作れるものを使います。
保冷ボックスがない場合、食品スーパーなどで発泡スチロールの箱をお客さん用に無料でくれるところが多いですから、それをいただいてきましょう。
STEP1.氷を包んで長持ちさせる材料を調べる
プリン型6個にそれぞれ大さじ1杯の水を入れ、冷凍庫で完全に凍るまで待ちます。
待っている間に、プリン型を覆う新聞紙・ビニル袋・布・アルミホイル・保冷袋の5つの材料を用意しておきます。大きすぎるものは切って、プリン型のサイズに合わせてください。
ここで、「あれ?氷は6つなのに材料は5つなの?」と思った方もいると思いますが、理科の時間に習った対照実験というやつです。何も手を加えないものを用意して、実験の基準にするんですよ。
氷ができたら、6つ取り出してきて、そのうちの5つを各材料で覆い、はがれないようにテープで固定しましょう。実験時間の計測も始めます。
室温やお家の冷凍庫の設定によって溶けるのにかかる時間が異なります。対照実験の氷の様子を見ながら、「だいぶ溶けてきたかな」というタイミングで、ストップウォッチを止め、5つの覆いを外しましょう。
そしてまだ残っている氷だけを割りばしでつまんで捨て、容器に残った水を容器ごとそれぞれ計量し、6つ分のデータをメモしておきます。この記録をAと呼ぶとします。
その計量が終わったら、容器内の水を捨てて容器をよく拭いて容器の重さを計量します。容器1個の重さをBとすると、A-B=Cの計算式で、それぞれの溶けた水の重さCを出せますね。
このCの数値が小さい材料が、氷を長持ちさせるものということになります。
この実験をストップウォッチで計測した時間と部屋の温度をそろえて、3回は繰り返し、平均値を出してください。何故かというと、氷を包む作業にもたついて体温で異常なくらい氷が溶けてしまうなどということも考えられますから、そうした偶発的な影響を小さくするためです。
STEP2. 氷を早く溶かす材料を調べる
まずは、製氷皿で15個の同じ大きさの氷を作り、それを冷凍庫から出す前に食塩・砂糖・片栗粉・尿素の4つの材料と小さじを手元に用意しておきます。氷を取り出すときには割れたりひびが入ったりしないように丁寧に取り出しましょう。
出した氷は割りばしを使って、保冷ボックスの底にキッチンペーパーを数枚重ねた上に3×5になるように並べます。そして、縦に3つずつ食塩・砂糖・片栗粉・尿素を1つの氷に小さじ1ずつかけます。
最後の1列は対照実験なので何もかけません。この作業が終わったところでストップウォッチの計測を開始し、それぞれの氷が溶けるまでの時間を計りましょう。
これも、ふりかけた材料ごとに3つのデータを平均したもので比較します。この時間が短かったものが氷を早く溶かす性質を持っているというわけです。
おわりに
今回は氷に関する実験を紹介しましたが、いかがでしたか。今回の実験は、保冷グッズや融雪剤のような身近なものにまつわるものなので、興味が持てるのではないでしょうか。
また、危険な作業がないので、見守る親御さんからしても安心かと思います。
自由研究のネタに困っているという中学生やご家族の方、ぜひ、試してみてくださいね。