お悔やみ事は、本当に急に連絡が来ることが多いと思います。仕事の都合や家庭の事情などで、通夜や葬儀に参列できないこともありますよね。
親戚や友人などであっても、遠方の場合、すぐに駆け付けることができないという時は、香典などを郵送した方がよいのか、悩みどころではないでしょうか。
今回は、香典を郵送するときの手紙の書き方や、親戚や友人などへの送り方、文例などを紹介したいと思います。
香典を郵送するときのマナーについて
最近は、葬儀に対する考え方も多様化しているため、身内だけで執り行うケースもあります。
家族葬などで葬儀を済ませた後に、他から亡くなったことを知らされたりすることもあるでしょう。
また、連絡はあったとしても、遠方に住んでいるため、お通夜や告別式にも参加できそうにないということもありますよね。
本来ならお通夜か告別式に参列した時、香典を渡すのが一般的ですが、諸事情により、すぐに伺うことができない時などは、郵送することになっても、問題はありません。
ただ、その時には、遺族の方たちに失礼のないよう、マナーは忘れないようにしましょう。
香典袋の表書きは、故人の宗教に合わせた言葉で。
宗教 | 書き方 |
---|---|
仏教・仏式 | 御霊前・御香典・御香料 |
キリスト教 | 御霊前・御花料・献花料 |
神式 | 御霊前・御玉串料・御神前 |
無宗教 | 御霊前 |
香典と一緒にお悔やみの手紙を入れる。
郵送の場合、現金書留で送りますが、同封する時に、やはり一言お手紙を添えるとよいでしょう。
基本的には白無地のシンプルな便箋を用いるのが一般的です。ただ、明るく華やかな色を避ければ、グレーや薄紫などの用紙でも、使用することはできます。
香典郵送の場合の手紙の書き方は?
香典を郵送する際、一言添えるお手紙の書き方として、どんな内容がふさわしいでしょうか。
まず、先ほどもお伝えしたように、便箋はシンプルなものを用意しましょう。
香典袋には筆ペンなどで表書きをしますが、お手紙の方は、普段書き慣れていないのであれば、筆ペンで書く必要はありません。
黒インクのボールペンや万年筆など、書き慣れたものを使う方が良いでしょう。
相手方が親しい関係であっても、カラフルなカラーペンや色鉛筆などは使用してはいけません。
また、きちんと書いた方が良いなら、ワープロで打ち出した方がきれいに見えると思われがちですが、書類などではないので、お悔やみの言葉は、縦書きの便箋を使用して、字に自信がなくても、手書きにすることをお勧めします。
基本的に書くことは、葬儀に参列できないお詫びの言葉と、遺族への励ましの言葉になります。
故人との思い出話などを、たくさん書く必要はありません。お悔やみのお手紙は、1枚だけにしましょう。一般的な手紙のように、無地の便箋を1枚入れることも、お悔やみの場合はマナー違反になってしまいます。
また、手紙文のなかで、「忌み言葉」と言われるものは避けてください。
忌み言葉とは
「死んで」「生きていた」「滅ぶ」…といった直接「死」をイメージするような言葉。あるいは、「またまた」「重ね重ね」「次々」など二重に言葉を重ねるのも、不幸事が続くイメージがあるので、お悔やみには使用しないでください。
香典を郵送するときの手紙の文例
お悔やみ文は、ある程度のお約束事がありますので、それに則り、マナー違反にならないように気をつければ、それほど頭を悩ますことはないでしょう。
基本的に
- 季節の挨拶は使わない
- 結語も書かない(もし入れる場合は「合掌」にする)
- ご遺族への励ましや慰めの言葉・伺えないお詫び・香典をお供えするお願い
上記の点に注意しながら、いくつか例文を挙げておきます。
実際は、縦書きで書く方が正式になります。
文例1
ご家族の皆様には、さぞご心痛のこととお察しいたします。
どうぞお力落としのないように、心よりお祈りいたしております。
遠隔地のため、すぐにご焼香に伺えない失礼をどうかお許しください。
心ばかりの御香料を同封いたしましたので、ご霊前にお供えしていただければ幸いでございます。
謹んでお悔やみ申し上げます。
文例2(親戚)
本来ならば、すぐにでも駆け付け、お悔やみ申し上げたいところですが、やむを得ない事情により、お伺いすることができず、誠に申し訳ございません。
心ばかりのものを同封いたしますので、どうか、ご霊前にお供えください。
まずは、略儀ながら、書中にてお悔やみ申し上げます。
文例3(友人)
生前のお元気な姿が浮かび、実感が湧いてきません。
○○子さんも、大変お心を痛めていることと思います。
どうか、お気持ちを強く持たれますよう、心よりお祈り申し上げます。
遠路ままならないゆえ、葬儀に参加できない失礼をお許しください。
ささやかですが、香料を同封いたしました。
どうか、○○様がお好きだったものをお供えくださいませ。
ご冥福をお祈り申し上げます。
香典を郵送するタイミングは?
では、葬儀に参列できない時、香典はすぐに送った方が良いのでしょうか?
ご遺族側からすれば、お通夜と葬儀の2日間は、悲しんでいる暇もないほど、忙しく、慌ただしいものです。
参列できないからと言って、その日に届くようにする必要は、全くありません。
できるだけ、ご遺族側の負担が少ない時期を考えると、やはり、葬儀後1週間あたりか、遅くとも1か月以内が無難です。
送り先は喪主のご自宅で、もし、故人の生前にご家族との交流がなければ、お悔やみ文のほうで、故人との関係を簡単に記しておくとよいでしょう。
おわりに
私も実家を離れて暮らしているので、お悔やみ事があると、すぐに駆け付けられないこともありました。
香典を郵送して大丈夫なのか?なんて心配したりしましたが、なかなか出向けないときは、迅速に対応する方がいいですよね。
逆に実家で不幸があったとき、遠方の友人から、お香典とともに、手紙をいただいたときは、その心遣いが本当にありがたく感じたものです。
遺族側は、悲しみを堪えながらも、忙しい時期ですから、シンプルに書いてくれることで、その思いは十分伝わると思いました。