お子さんをお持ちの方なら、誰でも耳にしたことがあるであろう「手足口病」。
名前自体にインパクトがあるので、一度聞いたら忘れないような病名ですが、さて、どんな病気なのかというと「はて…?」という場合が多いのではないでしょうか?
かくいう私も、我が子の通っていた保育所で、
「この病気を発症した子がいるので、ご自分のお子さんも感染していないか体調等を気を付けて見てください」
といった連絡を受けたものの、一体どんな病気で、どんな症状で、どういった対処をすべきなのか?ということがわからず、慌ててネットや保育所の先生に聞くなどして調べたというのが本音です。
そんな、私のようなママやパパのお役に立てて欲しいということと、自分自身の備忘録として「手足口病」について書き留めておこうと思います。
手足口病ってどんな病気?
まずは、基本知識として「手足口病」って一体どんな病気なの?ということから。
「手足口病」と検索すれば同時に出てくるキーワードが「ヘルパンギーナ」「プール熱」といった病名。
これら3つの病気は「3大夏風邪」と呼ばれ、いずれもウイルス性の風邪で感染力も強く、時に大流行してしまうこともあるという厄介なものです。
それぞれの病気の共通点や相違点は以下のようです。
【手足口病】
・発疹…手や足、口腔内、お尻、膝、肘など広範囲に渡って現れる。咽頭痛がおこる場合もある。
・その他…下痢や嘔吐を伴う場合もある。また、喉や口の中の痛みから食事やミルクを摂取できず、脱水症状を起こすこともある。5歳以下に発症することが多い。
≪手足口の発疹≫
出典:www.miyake-naika.or.jp
出典:www.miyake-naika.or.jp
【ヘルパンギーナ】
・発疹…喉の奥や口腔内に現れる。咽頭痛もおきる。
・その他…高熱と喉や口腔内の痛みにより、食事やミルクがとれず脱水症状を起こしやすい。こちらも5歳以下の発症率が高い。
≪ヘルパンギーナの発疹≫
出典:www.miyake-naika.or.jp
【プール熱】
・発疹…なし
・その他…結膜炎症状がみられる。目ヤニや、下痢、嘔吐症状がでる場合もある。
手足口病と他2つの夏風邪との違いとして、
・発疹が口や喉だけではなく、手や足、肘、膝、お尻など広い範囲にわたってできている。
以上のような点があげらるので、判断の材料として覚えておくとよいかと思われます。
いずれも、ウイルス性の風邪であり、また、その原因ウイルスは1種類だけではなく、数種類に及ぶ為、一度かかっても違った種類のウイルスに罹患することで何度もかかってしまうことがあります。
どこから感染するの?「手足口病」の感染経路はこれ
さて、この「手足口病」、どうやって感染していくのでしょう?
接触感染
主な感染経路として、まずは「接触感染」。
これは、唾液や鼻水に含まれたウイルスを目や鼻、口から取り込むことによって感染してしまうパターンです。
保育園などに通う子の場合、おもちゃの共用や手洗い・うがいをする場所の共用、夏場の水遊び用プールの共用などなど…共同生活では避けられない日常から簡単に感染経路ができあがります。
飛沫感染(ひまつかんせん)
次が「飛沫感染」。
その他の風邪と一緒で、咳やくしゃみから拡散されたウイルスを吸い込むことにより感染するパターンです。
これも、接触感染同様、遊び場やお昼寝部屋、保育室など、感染者と同じ施設内に過ごすことで感染してしまいます。
糞口感染(ふんこうかんせん)
そして最後が「糞口感染」と呼ばれるもの。
その字のとおり、感染者の排便からウイルスを取り込んでしまうパターンです。この場合、子ども同士の感染経路というより、子どもから大人(保育者)への感染経路となることが多いと思われます。
感染してしまうことと、他者を感染させてしまうことを防ぐには?
出典:garglewater.com
では、こんなに簡単に感染してしまうこの病気、感染を防ぐ方法と、我が子や自分が感染してしまったときに他者への感染を防ぐためにはどんなものがあるでしょう?
感染を防ぐためには、この病気にかかった者の近くに行かないことが一番ですが、誰かが感染性の病気にかかるたびに保育園を休ませるわけにはいきません。
集団生活に身を置く限り、手足口病だけではなく様々な感染性の病気にかかる可能性に囲まれており、それを完全に避けることは不可能だと思います。
そんな中、せめてもの防止策としては、やはり「手洗い・うがい」でしょう。マスクを嫌がらないお子さんなら、マスクをすることでより感染を防止できる可能性が高まります。
これは、感染してしまった側も同様。
感染してしまったら、まずは保育園等は休ませ、他の子への感染の拡大を防ぐこと。
そして、家庭内では手洗い・うがいをこまめにする、食器の共用をさける(お子さんが残しちゃった食事を、もったいないからと食べることも完治するまでは避けましょう。(…と、自分に言い聞かせています)
お風呂も感染者は一番最後に使用し、使用後はきれいに浴槽・洗い場を流しておけばより安心だと思われます。
保育園等を休ませるのはどのくらい期間?
出典:projectnursery.com
予防策、防止策はわかりましたが、それでは一体どのくらいの期間、保育園等をお休みさせるべきなのでしょうか?
実は、これがとても曖昧で判断に困る部分なのです。
水疱瘡やおたふくかぜなどのように、「学校保健安全法」というものに登校(登園)不可能期間が定めれた病気ではないので、自己判断で出席・欠席を決めることになります。
このとき、体内から完全にウイルスが消えてなくなってから登園開始するとすれば約1ヶ月近くかかります。(症状が治まってからも、2~4週間ほどは便の中にウイルスが混じって排出されるため)
しかし、そんな長期間にわたって登園を休むなど、働くママにとってはまず不可能ですよね。そうなると、なにを基準に考えて登園を再開させるべきか…。
判断の基準はそのご家庭や、各保育園からの指導やルールなどがあると思うので一概に「これがベスト」ということを述べるわけにはいきませんが、2児の子を持つ私としての考え・判断は以下のような感じです。
発熱が治まったか?熱の高さが登園可能な37.5度以下になったか?
まずは、これです。
ここをクリアしていないと、手足口病に限らず、まず登園不可能なラインになりますので。
しかし、37.5度以下というよりは、本人の普段の平熱の体温に戻っているかどうかということを基準に判断しています。
糞口感染以外の感染経路の原因が治まっているかどうか?
出典:okmusic.jp
保育園では、お友達に感染させてしまうことで一気に感染が拡大してしまいます。
まだ小さい子どもの場合、咳やくしゃみを人に向けないようにとか、おもちゃを口にいれてはいけないといわれても無意識にやってしまうとか…。言って聞かせても限界があります。
これが、大人であれば自分自身で気をつけて自己防衛できるのですが…。
なので、分別のわかる大人の感染経路となりえる「糞口感染」については、保育者が気を付けるということにして、それ以外の感染経路が塞がれたらOKという判断です。
まずは、咳やくしゃみ・鼻水がひどい場合、そこから飛沫感染の原因となってしまいますので、咳やくしゃみの症状は治まったか?鼻水は治まったか?という点をチェックします。
次に、発疹の状態はどうか?掻き壊してしまった発疹があると、その膿などにウイルスが含まれているため、そこに触れることで接触感染させてしまうリスクが高まるので、そういった箇所はないか確認します。
あとはそのうえで、ダメ元でもなんでも「おもちゃを口に入れないようにね」「頑張ってマスクしようね」「(マスク無理なら)咳やくしゃみが出そうになったらお口を隠してね」「そのあとはおてて洗おうね」などなど、言って聞かせるのは大前提です。
そして、最後はなんといっても
本人の元気さが普段の状態に戻っているかどうか?
出典:yellowhammernews.com
これが一番大事なところですよね。
無理をさせてこじらせてしまうと、感染したウイルスの種類によっては髄膜炎や脳炎などの中枢神経をおかす合併症をおこしてしまうことがあるというので、まずは無理をさせずに症状の回復と体力・免疫力の回復をはかることが一番大事だと考えます。
以上の点から、登園開始するとすれば、おそらく3~4日から、長くて1週間くらいのお休みをすることになるのではないかなと思われます。
おわりに
というわけで、手足口病の症状や対策について書かせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
これは余談ですが、我が家の娘(2歳)は、1ヶ月に1回は3~4日くらいのお休み、2~3か月に1回は1週間くらいのお休みをしていました。
鼻水は、年がら年中、出ていない日のほうが少ないといっていいくらい。
下の子を妊娠したことで、退園してからはその鼻水も出なくなり、風邪ひとつひかず毎日過ごしています。
保育園に通っていると、いろんな病気にうつったり、うつされたりとお互いさまの部分もあるので、過剰に神経質にならない程度にマナーを守り、それぞれ子どもたちの成長を見守っていければいいですね。