今では当たり前になった、節分の「恵方巻き」。
私が子供の頃はこんな風習がなかったので、スーパーやコンビニで販売されはじめた当初は全然関心がありませんでした。それでも、子供が大きくなってくると、恵方巻き食べたい!と騒ぎはじめ、遅ればせながら、我が家も食べることに。
でも、毎年、食べる方角が違うなんて、ややこしいことこの上ないですよね。そもそも、恵方巻きの「恵方」って何? なんでその方角を向いて食べなくちゃいけないの? その方角は誰が決めているの? とわからない事がいっぱいあります。
そこで、この記事では、恵方巻きの方角の決め方や由来、また誰が方角を決めているかについて、ご紹介したいと思います。
恵方巻きの方角
恵方とは?
陰陽道の福の神である「歳徳神(としとくじん)」が在する方位を恵方といって、その方角に向かって物事を行えば、万事に吉とされています。
かつては、恵方詣りといって、初詣を自宅から見て恵方の方角の寺社に参る習慣があったそうですよ。
方角の決め方
恵方、つまり歳徳神の在する方角は、その年の十干(じっかん)によって決まります。
十干とは、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10の要素からなり、十二支と合わせて干支(かんし、えと)といって、暦の表示などに用いられます。
方角の決め方を表にまとめてみました。
十干 | 西暦年の1の位 | 次の年 | 方角 |
丁・壬 | 2・7 | 2017年 | 北北西やや北 |
丙・辛 | 1・6 | 2021年 | 南南東やや南 |
戊・癸 | 3・8 | 2018年 | |
甲・己 | 4・9 | 2019年 | 東北東やや東 |
乙・庚 | 0・5 | 2020年 | 西南西やや西 |
表からもわかるとおり、十干は西暦年の1の位の数字で決まります。実際には恵方と呼ばれる方角は4つしかありません。その年の十干により、4つの方角のいずれか1つに決まるのです。
2017年の方角は「北北西やや北」となりますね。
誰が決めているの?
このように、「方角は誰が決めているか?」という疑問の答えは、「歳徳神」という神様がいらっしゃる方角なので、誰かが決めているというわけではありませんでした。強いて言えば、「歳徳神」が決めている、といえるでしょうか?
恵方巻きの由来は?
恵方巻きの起源と
その由来
恵方巻きの起源は、はっきりとしたことはわかっていませんが、諸説あるようです。
・大阪の船場にある階段の中段で女性が太巻きを丸かじりして願い事をした
・大阪近郊の申村(現在の大阪市此花区)に住む老若男女が節分の日に集まり、巻寿司を食べる時に、切り分ける手間を省くために一本丸かぶりをした
いずれも、信憑性についてはイマイチといったところですが、大正時代の終わりから昭和の初期ごろには、大阪の一部の地域で、節分の日に巻き寿司を丸かぶりする風習が定着していたようです。
その風習を、大阪のすし・海苔関連の商人を中心に、土用の丑の日に鰻を食べる習慣に対抗して、販促活動に利用したらしいです。
コンビニ業界では、ファミリーマートが1983年から販売を開始し、1998年に、セブンイレブンで大々的に売り出す際に「丸かぶり寿司 恵方巻」という名称にしたことから、恵方巻きの名前が広まったようですね。
恵方巻きの食べ方!
恵方巻きの食べ方をおさらいしてみましょう。
- 食べているときは違う方角を向かない
- 食べ終わるまでしゃべらない
- 願い事を思いうかべながら食べる
よそ見をしたり、しゃべったりすると、幸運が逃げてしまうと言われています。また、恵方巻きを切らないのは「縁をきらない」という縁起をかつぐ意味があるようですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。恵方巻きの由来を調べたら、大阪の商人に日本全国の人がのせられているような気がしてきました。
でも、恵方巻き、美味しいですからいいんですけどね。子供たちも楽しみにしていますし、こんな風習を教えてくれてありがとう!という感じです。
方角に「やや北」とかついているのは知りませんでしたが、おおよその方角でもきっと大丈夫です。恵方巻きというイベントを、これからも楽しんでいくださいね♪