いつも通り生理が来たのに、実は妊娠していた!なんてことを、経験したことがありますか?妊娠すれば生理は止まるはずなのに、実際このような経験をしたことがある方は意外に多いそうです。
なぜこのような事態が起きるのでしょうか?
考えられるのは、生理以外の理由で出血していた場合です。一番よくあるのが、着床出血ですが、その他の理由で出血があった場合、注意が必要な病気の場合もあります。
そこで、ここでは生理後に妊娠が発覚した場合の、出血の原因と初期症状について、ご紹介したいと思います。
出血の原因は?生理でないなら何?
正常な妊娠の場合の出血
着床時期
着床出血は、生理の予定日の数日前から起こる可能性があります。血の混ざったおりもの程度の出血から、生理開始時の軽い出血くらいが普通で、3日ほど
でおさまるのが一般的です。
色としては、鮮血の場合や、黒っぽいもの、ピンクのものなど、人それぞれです。いつもより生理が短く終わってしまった場合などは、着床出血だったかも知れません。
絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)
出典:www.fluvaccinationchallenge.com
受精卵が着床すると、胎盤が形成されるわけですが、胎盤が完成するまでは、胎児の側で細い動脈と静脈による“絨毛膜”を構成し、子宮内膜と結合して栄養を受け取ります。
しかし、何かの原因でこの絨毛膜と子宮内膜の間の血の塊ができてしまうことがあります。これを絨毛膜下血腫といって、血腫はエコーで確認することができます。出血や腹痛が主な症状で、生理による出血と勘違いすることが多いようです。
妊娠が正常に継続しているなら、胎児への影響は心配ありません。これによる流産の可能性もないと言われていますが、出血がおさまる5ヶ月くらいまでは安静が必要です。
ただ、血腫が大きい場合は大量出血することもあり、流産の可能性もある場合は管理入院することもあります。
異常妊娠の場合の出血
胞状奇胎(ほうじょうきたい)
胞状奇胎とは、染色体異常により、絨毛細胞だけが異常増殖して水疱状になり、子宮の中を覆いつくしてしまう病気で、胎児は発育できません。
症状としては、つわりが重く、むくみや高血圧などの妊娠高血圧症候群のような状態で、通常妊娠より早くお腹が大きくなり始めます。エコーでの早期発見が可能ですので、おかしいと感じたら早めに医師の診察を受けましょう。
子宮外妊娠
受精卵が子宮にたどり着く前に、卵管などに着床してしまうことを子宮外妊娠といいます。妊娠検査薬で陽性反応が出ますが、そのまま妊娠を継続することはできません。
妊娠6週目くらいから、不正出血や下腹部痛などの症状が出始めます。はじめのうちは出血も痛みもそれほどではありませんが、だんだんと痛みもひどくなり、放置しておくと大変危険です。
流産による出血
流産により出血した場合でも、妊娠検査薬で陽性反応が出ることがあります。初期流産の原因の多くは染色体異常で、ママに原因があるわけではありません。
不正出血や、腹痛、つわりが急になくなったなどの症状が出た場合は流産の可能性もありますので、受診して赤ちゃんの状態を見てもらいましょう。ただ、これらの症状が全くみられなくても流産している場合もあります。
その他の病気の場合の出血
子宮膣部びらん
子宮膣部がただれている(=びらん)ように見える状態で、病気ではありませんが、生理とは別に出血する場合があります。性交渉時に痛みや出血があったり、おりものがいつもより多いなどの症状が見られます。
ほとんどの場合、治療の必要はなく、不妊や妊娠時の胎児への影響もないと言われています。
生理か妊娠か、見分け方は?
妊娠したかどうか見分けるには、基礎体温を毎日測る、妊娠検査薬を使う等の方法があります。また、不正出血の場合は、普段の生理の場合と比べて、出血量や色などに違いが見られますので、出血の状態をよく観察しましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
生理だと思って妊娠に気が付かず、気づいたときはもう3・4ヶ月だった、なんてことになると、その間に薬を飲んでしまったり激しい運動をしたり、後で後悔することになるかも知れませんよね。
そうならないために、いつもとちょっとでも違うと感じたら、早めに妊娠検査薬を使ってみるといいかもしれません。