私の子供の頃は、節分と言えば、「豆まき」くらいしかイベントはありませんでした。
地域の神社で豆やお菓子を巻いてくれるのを、楽しんで拾いに行ったりして、それなりに楽しみにしていた行事です。
ここ数年で、節分には「恵方巻」を食べることが、知られるようになっていますよね。
スーパーだけでなく、コンビニもこぞって様々な恵方巻を販売しています。この恵方巻は、もともと関東ではほとんど知られていなかったのですが、テレビなどの影響もあり、全国的に認知されつつあります。
恵方巻だけでなく、最近では節分イワシや節分そばなどもじわりじわりと認知度を上げてきているのをご存知でしょうか?
今回は、節分イワシにスポットを当ててみたいと思います。
節分イワシの由来や地域など、ちょっとした歳時記ネタですが、そこには、福を呼び込むための古の人々の思いが詰まっているかもしれませんよ。
節分イワシは全国ネット?
出典:hidarumahonten.blogspot.jp
節分のメジャーな行事は豆まきです。これはどの地域でも行われています。
季節を分けるという意味合いのある「節分」ですが、旧暦では立春の前日である2月3日が新春を迎えるための、今で言う大晦日にあたりました。
陰陽道では、陰から陽へ変わる節目の立春は、一番変化の多い時とされ、そういう時は普段隠れている鬼や邪気が姿を現しやすいと信じられていました。
そういった鬼や邪気を追い出すのが豆まきの由来でもあります。
豆まきの習慣はほぼ全国統一ですが、節分イワシについては、元々は関東より西日本の方が食べたり飾ったりすることが多いようです。
節分イワシの由来は?
出典:moromoronews.com
最近では全国的にも知られるようになってきた節分イワシですが、では、なぜ、節分にはイワシが使われるようになったのでしょうか?
それは、ずばり、節分イワシは「魔除け」や「厄除け」の役割を果たしているのです。
日本古来の考え方で、先の尖った物やにおいの強いものは「魔除け」や「厄除け」になると信じられていました。
節分時期に現れると思われていた鬼や魔物から身を守るためだったのですね。
節分に焼いたイワシの頭を柊につけて入り口に飾ることで、家に入ろうとする鬼や魔物がイワシの臭いにおいに逃げ出し、柊の葉のとげでさらに追い打ちをかけるということのようです。
節分イワシの食べ方・飾り方は?
イワシはタウリンやDHA,またカルシウムなども豊富で、丈夫な体つくりにはもってこいの魚です。
戸口に魔除けとして飾る場合は、頭だけで良いので、身の方はしっかりいただきましょうね。
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飾る期間も節分と立春の2日間というところが一般的ですが、地域によっては、小正月である1月15日から飾るというところもあるようです。
イワシは決して高級魚ではありませんが、私たちの生活に密着したとてもなじみのあるお魚です。
栄養素と厄除けを兼ね備えているという点は、とても素晴らしいと言えますよね。
今年は是非、豆まきや恵方巻だけでなく、節分イワシで福を呼び込んでみてはいかがでしょうか?
おわりに
節分にイワシに柊の組み合わせを飾るということは、私の住む地域ではメジャーではなかったのか、小さい頃は見たこともありませんでした。
大人になって、西日本出身の近所の方が、節分の時に柊にイワシの頭を刺して、玄関ドアのところに、飾ってあるのを見て、ちょっとびっくりしたこともあります。
最近では、近くのスーパーでも、節分時期はお魚コーナーにそれ用の柊がおいてあったりして、全国的に浸透してきたのかなと思いますね。
玄関ドアに毎年飾るご近所さんは、イワシの頭だけ近所の猫ちゃんに持っていかれてしまうのよ~なんて、残念そうでもあり、ちょっとだけ楽しそうに話していたのが印象的でした。
「イワシの頭も信心から」という昔からの言葉にあるように、どんなことでも、古い習わしがあれば、継承していくことも大切なのかもしれないと思いました。