あまりなじみのない「入梅の候」。読み方や意味についてお話しますね♪
最近、誰かに手紙を書きましたか?親指でポチポチ押しながら、打つメールやラインが主流になりつつある昨今ですから、大人でも、「手紙を書いたのは、いつが最後だっけ?」なんて、思い出すのも一苦労かもしれませんね。
でも、機会が少なくなったとは言え、手紙を書くことがなくなることはないのではないでしょうか。
お礼状や、おわび状、安否を気遣う書状など、メールアドレスやラインでつながっていない相手に出すときもあるはずですから。
今回は、手紙のマナーとして、時候の挨拶についてお伝えしたいと思います。
たくさんある時候の挨拶の中で、この季節ならではの「入梅の候」に絞って説明していきます。
入梅の候って、なんて読むの? 意味や使う時期などの疑問がすっきり解決して、きっと使ってみたくなるかもしれませんよ!
「入梅の候」って何て読む?
友人同士の簡単なやり取りの手紙や、メモ程度の手紙にはあまり必要ありませんが、お礼状やおわび状、安否を気遣うなどかしこまった手紙の書き方のマナーとして、最初に時候の挨拶を入れます。
時候の挨拶とは、「季節や天候に合わせた心情などを、文章に表す」という、四季折々の日本ならではの、美しき風習と言えます。
今回ご紹介する「入梅の候」ですが、「にゅうばいのこう」と読みます。
入梅の候の意味は?
手紙文で使用される、時候の挨拶ですが、一番大切なのは「季節感を感じさせる」ということです。
入梅というのは、梅の収穫時期になりました、ということではなく、「梅雨入りした」ということを表す言葉です。
ですから、あいさつ文で「入梅の候」という言葉が入れば、「梅雨入りの季節になりましたね」という意味合いがあるのです。
入梅の候はいつ使う?
梅雨入りというと、日本全体で一気に梅雨入りするということは、まずありえません。
桜の開花などの時期も、全国で変わってきますよね?
それと同じように、「○○地方は梅雨入りしました」なんて天気予報で言っていても、梅雨そのものが気象的にない北海道からすれば、どんな季節なんだ?ということになります。
手紙を出す相手の地域に合わせた時候の挨拶をいれることも、マナーの一つと言えますね。
ですから、5月から6月あたりに使えるかなと曖昧な覚え方より、季節感をしっかり把握して、使うことに向いている時候の挨拶文になります。
入梅の候を使った例文
入梅の候を用いた手紙文の例をいくつかご紹介します。
ビジネス向けなら…
など。
個人向けなら…
などですね。
「入梅の候」は、実際に使用できる期間は少ないかもしれません。ただ、季節感あふれるものであるので、うっとうしく感じる梅雨の季節も、さわやかな時候の挨拶で乗り切りたいですね。
おわりに
美しい日本語や大和言葉と呼ばれる言葉が、最近は見直されてきているような気がします。
若者言葉や、短縮されたり、ローマ字だけで表されたりするのも、同じ日本語ですが、時代の流れと共に、言葉の変化があるのは当たり前のことでしょう。
言葉も進化していくということでしょうか。しかし、たとえ進化して、現代風に「使いやすくなった」としても、せっかくの「美しい日本語」は、しっかり後世に伝えていきたいものです。
奥ゆかしき日本語をしっかり覚えておくことも、大人のマナーの一つではないでしょうか。