いきなり嘔吐して、下痢の症状もある、これって嘔吐下痢症?でも嘔吐下痢症ってそもそも大人も感染するもの?
今回は、そんな大人の嘔吐下痢症についての記事です。嘔吐下痢症感染の原因や対処法、また症状があるときの食事などについてまとめました。
嘔吐下痢症って?大人も感染するの?
嘔吐下痢症は、ウイルス性の感染性胃腸炎です。嘔吐下痢症は、主に小児の場合に使われるようです。大人の場合は一般的に感染性胃腸炎といわれます。
感染源は、ロタウィルス、ノロウイルス、サポウイルスなどのウイルスです。シジミ、アサリ、牡蠣などの二枚貝などの食中毒として一年中かかる恐れがあります。
人から人へ感染するため、特に冬場に流行します。もちろん大人も感染し、老人ホームなどで集団感染も問題になっています。
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子どもの場合では、保育園や幼稚園など「おなかのかぜ」として流行します。
潜伏期は1~2日ほどです。嘔吐、下痢のほかに、微熱がでる場合もあります。有効な抗ウイルス薬がないため、対症療法しかありませんが、数日から1週間程度で治癒します。
下痢は悪いものを体外に排出しようとしている反応で起こるため、自己判断で下痢止めなどを飲むのはやめましょう。
細菌が原因の嘔吐下痢症
嘔吐下痢症には、ウイルス性のものと、細菌が原因の、細菌性腸炎も含まれます。こちらは夏場に多く発生し、感染型と毒素型の2種類があります。
感染型には、半生の肉などが原因のサルモネラ菌、病原性大腸菌(O-157など)、カンピロバクターや、生の魚介類が原因の腸炎ビブリオがあります。
潜伏期は1~4日ほどで、下痢、腹痛や発熱がみられます。
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毒素型は、人由来の黄色ブドウ球菌、加熱不十分で起こるウェルシュ菌、はちみつなどに含まれるボツリヌス菌などがあり、早い場合では食後2~24時間後に起こります。
発熱は少なく、嘔吐、腹痛、下痢が起こります。これらの細菌性腸炎の治療には抗生物質を使用します。
嘔吐下痢症のとき、食事はどうする?
嘔吐や下痢の症状がひどいときは、脱水をさけるために水分とミネラルを補給するだけにしましょう。無理に食事をとっては、胃腸に負担をかけてしまいます。
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水分補給には、経口補水液やスポーツドリンクなどを、少量ずつ飲むようにしましょう。飲み過ぎているといつまでも嘔吐が続く場合もありますので注意してください。
嘔吐が治まったら、様子を見ながら少しずつ、消化の良いものから始めていきましょう。
回復期の食事について
嘔吐・下痢が落ち着いてきたといっても、胃腸はかなり弱っています。胃腸にやさしく、栄養を補給するのに効果的な食事を心がけましょう。温かく、喉を通りやすいものが良いです。
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★おかゆ
まずは、おかゆから始めるのがセオリーです。重湯(おもゆ)といわれる米1:水10の割合で作るものですと、胃腸に負担がかかりません。
重湯を食べて問題がなければ、少しずつお米の割合を増やしていきましょう。
このとき、卵をいれたり、つぶしたかぼちゃを混ぜるのもおすすめです。ビタミン類などがとれ、体も温まります。
★麺類
やわらかく煮たうどんや、にゅうめんは食べやすくておすすめです。卵を入れたり、殺菌作用のある梅干を少し入れてもよいでしょう。
★豆腐
そのままでは体を冷やしますので、湯豆腐にして食べましょう。
★茶碗蒸し
消化によいのは、具なしですが、食べられそうならかまぼこなどは入れてもよいでしょう。
★スープ
牛乳を加えてのばしたコーンスープや、ジャガイモのポタージュスープ、野菜のみを入れたポトフもおすすめです。具材はキャベツやにんじんから試してみて。
★フルーツ
りんごやバナナは食べやすく、おなかにも良いですが、グレープフルーツやオレンジなどの酸味がある柑橘類は刺激が強いのでNGです。
またパイナップルやキウイなど、たんぱく質分解酵素を持つものも避けてください。
★鍋
比較的食べられるようになってきたら、鍋もおすすめ。消化酵素を含んだ大根おろしをいれた「みぞれ鍋」がベストです。消化もよく、体を温めてくれます。
だしでお好みの具材(白菜、にんじん、豆腐、白身魚、鶏ささみなど消化の良いもの)を煮込み、大根おろしを加えます。
二次感染の防止
嘔吐下痢症は、二次感染の恐れがあるので、非常に注意が必要です。まずは家庭内での感染を広げないことが大切です。
便・嘔吐物などでの接触感染、空気感染などがあるため、便や嘔吐物の処理を行う場合はマスク、眼鏡、使い捨て手袋を使用し、次亜塩素酸ナトリウムを5~6%含む塩素系の家庭用漂白剤を希釈して消毒を行いましょう。
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またタオルの共用は避けましょう。加えて、家庭内ではこまめな調理器具の消毒なども気を付けてください。このときも次亜塩素酸ナトリウムを5~6%含む塩素系の家庭用漂白剤を使用して。
さらに外出時も空気感染を防ぐためマスクを着用し、手洗いも徹底しましょう。
※次亜塩素酸ナトリウムを使用する際は、取り扱いに十分注意し、必ず手袋を着用するようにしてくださいね。
まとめ
嘔吐下痢症についていろいろと見てきましたが、ウイルス性と細菌性ということで、大人も感染するということがわかりました。
特に症状がひどいときは、脱水に注意し、少しずつ水分補給を行うことが大切です。下痢がひどいからといって、下痢止めは飲んではいけません。
回復してきたら、温かく、消化の良いものから食べていき、胃腸をいたわりましょう。
なるべく自分の力で治すことが大切ですが、どうしても食べられない場合などは病院で点滴をしてもらうのも一つの手です。
また感染の拡大を防止するため、次亜塩素酸ナトリウムを希釈しての消毒を行うことが重要です。普段からストックしておくようにしましょう。