中秋の名月にお月見をした方も多いでしょう。今回は意外と知らない月のことを紹介します。画像や動画をまじえて月の表面の様子や月の温度、でこぼこして見えるいわゆる「うさぎ」の正体についてまとめてみました。
秋冬は空気が澄んで夜空がきれいです。冬は有名な星や星座の季節で天文ファンには嬉しいのですが、防寒対策が必要。秋は目立った星はありませんが、気候がよく夜の時間が長いので、月をじっくり眺めるのも素敵ですね。
月のうさぎの正体は?
海に山脈?月の地形とは?
月には「晴れの海」や「雨の海」などの海と名のついた地形があり、他に山や断崖、入り江などさまざまな名前のついた地形があります。もちろん地球の海や山とは違って水もなければ木も生えていません。
この地形は月に他の天体や隕石がぶつかってできた凹凸によるもので、地球から見ると低いところは暗く高いところは明るく見えます。この低い部分が地球からはうさぎの形に見えるわけです。
ちなみに、日本人にはうさぎに見えるこの模様、他の文化圏では読書中の女性に見えたりカニに見えたりするようです。今度月を見上げて探してみてくださいね。
月の裏側が見えない理由
なぜ月はいつも同じ面を見せているのか
学校の理科の時間に月について習ってきた子どもがよく訊く質問の1つに、「いつ見ても月の模様が同じなのはなんで?」というのがあります。わたし自身もこれで両親を困らせた記憶がありますし、子どもに訊かれた経験もあります。
その答えは、月は地球の衛星として地球の周りを自転しながら公転していて、自転の周期と公転の周期がほぼ一緒だから。小中学校で習ったはずですが、大人になると忘れちゃう人も多いですし、教師の説明に納得いかなかった記憶のある方もいるのではないでしょうか?
出典:blog-miraikan-jst-go-jp
お子さんに理解してもらうには、部屋の中央にボールか何かを置き、自分を月、ボールを地球に見立てて回って(=公転して)もらうとわかりやすいかと思います。
常に顔をボールに向けて1周すると月と地球の関係を再現できます。このとき、部屋と自分の関係を見直してみると無意識に自転も1回しているのがわかります。例えばある窓に対して自分の正面が向く瞬間も後ろが向く瞬間もありますよね?
これで納得できないようであれば、その窓に常に顔を向けたままボールのまわりを1周してみてください。これが自転なしの状態なのですが、ボールとの関係を見ると自分の正面や横、後ろも見せることになります。
見えない月の裏側は?
出典:cosmolibrary-com
ここまで読んだら、月の裏はどうなっているのか気になりませんか?地球から見ることはできなくても、探査機などの活躍で様子がわかってきています。
裏側の特徴は、平坦な「海」が少なく表よりもでこぼこしているということ。裏側の地形図を見ながらうさぎに対抗できるような模様探しをしてみるのも楽しそうです。
将来は月に住める?
出典:blogs-yahoo-co-jp
ところで、身近な月ですから、SF小説や映画で人類の移住が描かれることもあります。あれって可能なのでしょうか。
生物の生存に必要なものといえば、水ですが、今のところ見つかっていません。氷河の痕らしきものが見つかったことがあり、氷がある可能性を主張している学者もいますから今後の研究に期待ですね。
それよりもネックなのは気候です。昼間はめちゃくちゃ暑くて夜はめちゃくちゃ寒いです。どれくらいかというと、最高気温は約120℃で最低気温は約-230℃。ここまでくると想像もつきませんね。
どうしてこんな表面温度になるかというと、大気がないからなんです。保温機能のある地球の空気、普段は意識していませんが、実はとてもありがたいものだったんですね。それに、大気がないということは気圧がないから、宇宙服を着ないと皮膚からはじけ飛んでしまうし、放射線も大量に浴びてしまいます。
月はのんびり見上げるくらいが夢があっていいのかもしれません。
おわりに
今回は月についてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。
恒星を見るには天体望遠鏡が必須ですが、月なら双眼鏡でも十分に見ることができます。月について知ったついでに、ぜひ実物の月も鑑賞してみてくださいね。